かおり陶房の箸置き小皿 [白泥x呉須青]
(サイズ:直径約12x高さ3cm)
他の種類もございます。こちらから
その土地独自の匂いがするやきものになるまで。
栃木県下野市のかおり陶房では
全ての釉薬に天然のわら灰を使って自然灰釉のうつわを作っています。
今では希少な自然灰釉。
自らわらや木を燃やして灰にして、釉薬として使えるようになるまで。
そしてそれがその土地独自の匂いがするやきものになるまで様々な過程があります。
・どのようにして灰釉はできるのか。
まず稲刈り後、わらを乾かす為穂先を上にして立て円錐形にまとめて上だけを縛ります。天気と相談しながらわらの乾きを見ていい按配に乾くまで待ち風のない日に燃やします。火種を作りその上にわらを積み重ねていき、白くなるまで燃やさないように気を付けて燃えたものから横に寄せていきます。
寄せたものはそれ以上燃えるのを防ぐ為ジョウロや柄杓で水をかけます。
積んで燃やして寄せて水をかけるの繰り返しで真っ黒い山ができ雨が降りそうであればカバーをかけ完全に冷まします。
あとは袋に詰めて灰にする作業は終了ですが、わらを干す所から詰め終わるまで20日間ぐらいかかります。
・わらを灰を搗く(つく)
わらの灰の完成で次はわらの繊維を細かくするため灰を臼と杵で摺りつぶしていきます。
1時間で区切り、繰り返し行っていきます。
とても重労働で腰も手も痛くなるのですがこれをしっかりや らないと好きな感じの釉薬ができないのだそうです。
また「便利なポットミルという粒子を細かくする機械もあるのですが焼き上がりがちょっと硬い感じがするんです」機械だから均一すぎるのかも。人の手による微妙なむらが器の印象を柔らかくしているように思います。」
・わら灰を使って色を出す
ついたわら灰に水を加えて、目の粗いザルに通します。
あとは沈殿したわら灰と長石と木灰を混ぜて出来上がりです。
この3つを混ぜる割合で色が変わります。
「その時々手に入った天然のもので作っているので、同じ青白の釉薬でもわらの状態や木の種 類、灰をどこまで焼くか、白くなるまで焼くか、黒く焼くか、長石の種類や取れた場所や時代に よって色合いや溶け具合が変わります。これに釉薬をかける素地(土)や焼き方の問題などで無限に変化していきます。本焼きの前にテストピースも作られるそうですが、一窯、一窯テストだと思っ て、その微妙な変化を楽しんで感じを探っているそうです。」
昔、やきものは半農半陶で作られていました。
「農作業の合間に窯に火を入れて米を作っていればわらがありかまどには木の灰がありました。
粘土が取れる場所がやきものの産地になり身近にある材料でごく自然なやきものが作られていました。
現在では流通が整いその土地にいなくても全国各地の土や材料が手に入ります。
知識や技術の広まりにより様々な新しい焼き物が生まれていますが反面その土地独自の匂いのするものが少なくなってきたように思います。
人の生活様式も変わり天然の材料を使える環境も少なくなってきました。
今となっては希少なやきものになりつつあります。
考えるとありがたく、天然のわらを大事に使わせていただきそしてそれを使い続けていけるよう、こちら側の努力も忘れてはならない、半農半陶、それが私の理想です。」
取り扱いに関して
・電子レンジ、食洗機のご使用はうつわを痛め破損することもありますので避けて下さい。
・オーブン、直火でのご使用はできません。
・色移りしやすいものは、ご使用前に水に浸し、ご使用後もすぐに洗い流して頂くと汚れにくくなります。
・よく乾燥させて収納して下さい。
[購入時の注意点]
・作り手さんの品質基準をクリアしたものを当店で検品を行い2重でのチェックの後に良品としてお届けさせて頂いております。
・釉だれ 釉薬のかかり具合で釉だれや釉薬の溜まりなどが出る場合があり個体差がありますが様々な表情をお楽しみください。
・ピンホール 焼成後に残っていた空気や有機物が小さな穴として残ります。
・模様 釉薬の特性上釉だれや色の濃淡などの模様の表情はそれぞれ異なります。
・飛び 釉薬や生地に含まれる成分が表面に黒い点として出たり釉薬の飛びが見られることがあります。
・手触り 生地の成分がフチなどに出てザラザラと感じる部分があります。